功山寺総門をくぐると、そこには別の世界がある。足音は土に吸われ、時は停止する。参道から見上げる山門の壮麗さ、山門を通して見る国宝の仏殿の微妙な曲線。 毛利勢に追われて無念の最後を遂げた大内義長。三条実美ら五卿潜居や高杉晋作の挙兵。幾度かの動乱を見守って来た仏たちのつぶやきに心すまし耳を傾けよう。 治は桜の花に、また秋は紅葉、萩の花にと四季を通じて美しい自然のたたずまいの名刹功山寺を訪れる人は多い。その人々を国宝仏殿の本尊、千手観音は大慈大悲・広大無辺の心の暖かい眼差しで見守ってくださるのである。